自転車

Charles Zoller with bicycle 1920
ペニー・ファージング自転車。1920年代当時はとうに廃れていたので、家にあった古い自転車を記念撮影したものかもしれません。

Hobby Hose
自転車が発明されたのは1817年ドイツのカール・フォン・ドライスだと言われています。初期の自転車は木製でペダルがなく、足で地面を蹴りながら進みました。イギリスで改良されるとホビー・ホースと呼ばれ、紳士たちのあいだで流行します。

Michaux_boneshaker
Mr Robert Brown 1890
1861年、フランスでミショー型自転車が発売されました。クランクがあり、ペダルを前輪に直接つなげたものです。本体も車輪も木製だったため、振動がかなりあり、ボーンシェイカー(骨揺らし)と呼ばれるほどでした。

Penny-Farthing bicycle
1870年頃、ペニー・ファージング型自転車が発売されました。全金属製の軽量型で、大量生産され、中流階級の男性たちのあいだで流行しました。前輪が大きいほど駆動力が大きくなるため、人の背丈ほども車輪がありました。その分、後輪は重量が軽くなるように小さくしました。
正式名称はエアリアル(空気の精)ですが、車輪の比率が当時の硬貨に似ていたため、ペニー・ファージングと呼ばれていたのです。車体がかなり不安定で危険も大きく、あくまで紳士たちの遊びで労働者や女性には普及しませんでした。

Bicycles of 25 Years Ago 1900
ペニー・ファージングと同時代の三輪自転車。車体が安定しているので、中流階級の女性のあいだで流行しました。1900年撮影時に25年前のものというタイトルがついていたので、1875年に使用していたと思われます。

Smartly dressed couple seated on an 1886-model bicycle for two.
ソーシャル・ブル型 二人乗り三輪車。1886年。カップル用に作られたとか。

nich-f
1879年に後輪駆動で車高も低いバイシクレットが開発されました。さらに安全になった1885年ローヴァー型に改良。前後の車輪が同じ大きさになりました。安全型自転車と呼ばれるようになります。

Mr R.J. Tate 1902
さらに1888年、空気タイヤが開発され(ダンロップ社の始まり)、騒音と振動が激減しました。さらに乗りやすくなったことで、爆発的に自転車が庶民のあいだでも普及していきました。

Annie Dawson Wallace with her bicycle. NB: Annie is wearing trousers - Sydney, NSW, 1899
男性だけでなく女性や子どもたちも自転車に乗るようになりましたが、労働者階級の人々が交通手段に利用するようになるのは、中古車が広く出回る20世紀初頭でした。

1895~96年ごろ、上流階級のサイクリング場として人気があったのが、ハイド・パークとバタシー・パークでした。紳士と淑女がファッショナブルな服装に身を包み、社交を楽しんだのです。

Get set!
自転車が普及すると、サイクリング・ツアーや自転車競技も生まれるほどのスポーツにもなりました。
写真は1891年5月のアイルランドの自転車競技の様子を撮影したものです。

Lethbridge Bicycle Club
1899年アメリカの自転車クラブ。