うちのちいさな女中さん


うちのちいさな女中さん1

まだ14歳の女中ハナが未亡人の童話作家令子のもとで働き初めた日々の短編集。

読後の率直な感想。
和風シャーリーだ!

良い意味でリスペクトされていて、小さな女中とまだ若い奥様の和やかな日常が本当に愛おしい。
文化住宅のガスコンロに驚くハナが見どころです。すごい真面目な子で延々とガスの素晴らしさを、以前の報告先へ手紙に書いてるのには笑った。
日々の食卓、昭和初期には珍しかった冷蔵庫の使い方、アイスクリームに感動する女中、そして一番大変だなと思ったのが着物の洗濯。肌着はともかく、着物を洗うにはまず解いて布の状態に戻す。そうしないときれいに洗えないとか。もちろん、板張りして乾かしたあとはまたせっせと裁縫をして着物を仕立てます。
もし、私がその時代の女に生まれていたら、裁縫に泣かされていただろうな。それぐらい苦手。この点は現代に生まれてよかった、としみじみ(汗)

大きなイベントや劇的なストーリーはないですが、淡々とした日常のなかにある喜びを読むのが好きな方におすすめできる漫画です。絵が美しいからそれだけでも楽しめます。
欲をいえば、もう少しページ数があったら。1巻と2巻、150ページほどでした。
令子夫人、再婚話があったけどこれからどうやって生きていくのか。そのあたりのストーリ展開が気になります。