・1870年代ごろ
年代初めにあったクリノリンが姿を消し、後部を持ち上げるバッスルに変わっています。裾がリボンでしぼられているため、78年ごろはかなりスカートが細いです。10年前とは比べ物にならないぐらいすっきりしました。
膨らみすぎもだけど、タイトすぎても歩きにくそう。実用性とファッションが乖離している19世紀のデザインです。
↑1871年⇒1877年。70年代はタイトなスカートが流行しました。髪型もシンプルです。
・1880年代ごろ
アールヌーボーの時代。
年代の前半はタイトなスカートの後ろにたっぷりのフリルとリボンが流行。後半からはだんだんと裾がまた膨らんできてますが、控え目でクリノリン時代ほどではありません。
女性用のスーツがかなりシンプルになっていて、禁欲的なヴィクトリア朝を象徴するようなデザインです。映画やドラマでよく見かける前ボタンがたくさんついた黒いスーツ。
男性用のスーツもかなりシンプルで、写真の青年は懐中時計の鎖がアクセントになっています。
↑1886年の子どもたちと1888年の姉妹。
↑1884年の女優と1885年の教授
↑労働者階級の老女と、牛乳屋の青年。かなり着古した服装。階級差が歴然と開いているのがよくわかります。
・1890年代ごろ
女性が活躍し始めた世紀末。サイクリングがその象徴です。
スカートが裾の下だけ広がっているデザインに。スカートに膨らみがなくなったぶん、女性たちはコルセットをきつくしぼって、ウエストを細く見せるようにします。デザインの重心が上へ移動し、袖肩に膨らみを持たせ、造花や羽根をたくさんあしらった帽子が流行します。
↑1890年、1896年、1897年の新婚カップルの記念撮影。
↑1891年の婦人靴とネクタイ・カラーのカタログ。
※19世紀ドレスファッションの流行が分かるイラスト図【1801~1900年】
↑19世紀フランスの婦人服デザインが年単位で描かれたイラスト集です。