現代でも服装の流行があるように、ヴィクトリア朝でも時代ごとに衣装の型が変わりました。それ以前の時代にも、ファッションの変遷はありましたが、時代が下るほど流行のサイクルが早くなります。
以下、旧い時代から主な服装の流行を簡単に紹介。19世紀初頭までは流行の最先端だった、フランスが中心になります。
・16世紀(ルネサンス・大航海時代)
男女とも大きなひだ襟が特徴。男性はキュロットとタイツが主流。
・17世紀
初期にあったひだ襟が、末期になると無くなります。古典、三銃士の時代。
↑太陽王ルイ14世とその一家。巻き毛のカツラが当時、流行しました。カツラの着用を始めたのは、若禿に悩んだルイ13世といわれています。王がカツラを着けたのだから、家臣もつけないわけにはいかず、やがて貴公子の身だしなみになりました。
・18世紀
フランスの専制政治が最も花開いた前半と、激動のフランス大革命があった後半。マリー・アントワネットやベルサイユのばらの時代です。
女性のドレスはパニエによって横へ多く膨らみ、銀髪のカツラは巨大な型と飾りが特徴。
男性は白髪のカツラが正装になります。パンプスと白い絹のストッキング。
男女とも最も華美な時代でしたが、革命が終わった世紀末は、ギリシアリバイバルが流行してパニエもカツラも姿を消しました。
↑右下は18世紀末の流行、ギリシア風。
↑左上から1700年、1720年、1739年、1779年の貴公子の正装。
・19世紀初頭
ナポレオン一世の時代。
女性は前世紀末のギリシア風衣装の流行が続いてます。
上流階級の男性は半ズボンとストッキングはまだ主流でしたが、中流階級になると長ズボンに変わっています。
↑ナポレオン一世と皇后マリー・ルイーズ。